福岡高等裁判所 昭和41年(う)535号 判決
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〔判決理由〕しかし、包括一罪の中間に別罪の確定裁判があつても、そのため包括一罪が二個の犯罪に分割されるのではないと解すべきであり、右の場合包括一罪の犯行が別罪の裁判確定後に終了している以上その包括一罪は別罪の裁判確定後の犯罪であり、そうすると、原判決が包括一罪である本件食糧管理法違反罪を判示第二(七)の(1)と(2)に分割し両者を各別に処断したのは包括一罪の個数に関する法律上の判断を誤り、ひいて併合罪に関する法令の通用を誤つたものというべきであり、この誤りが判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決中被告人園田に関する部分は破棄を免れない。
被告人鍋田、同松野、同荒井についての所論はいずれも要するに原判決の刑の量定が重きにすぎ不当であるというのであるが、本件は被告人らがいずれも雑穀商又は農業、精米業者として原審相被告人谷口隆利から頼まれて転売利益等を得るため食糧管理法に違反することを十分知りながら敢えて継続的に多数回にわたり極めて大量の米の譲渡、又は買受を行つたという事案であつて、本件犯罪の動機、態様、回数、取引米の数量、価額、取得利益の外被告人らの経歴ことに被告人鍋田、同松野の食糧管理法違反の前科歴等諸般の情状にてらすと、所論の被告人らに有利な諸点を十分参酌考量しても原判決の刑の量定はいずれも相当であつて、所論のように重きに過ぎるものとは認められない。被告人鍋田、同松野、同荒井についての論旨はいずれも理由がない。(柳原幸雄 至勢忠一 武智保之助)